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TOPUSツアートライアンフ代表 樋口弘和 特別コラム

トライアンフ代表 樋口弘和 特別コラム

米国ツアー特別コラム 第四回
米国人事カルチャー「女性活躍推進」

米国と日本。風土、文化、歴史、全てが違う2ヶ国において、人事上の違いを決定付けるものは何なのか。過去4度のUSツアーのファシリテーターを勤め、自身も外資系でシリコンバレーに勤務した経験を持つ弊社代表 樋口が語ります。

「女性活躍推進」に対する偏見と問題点

前回のダイバーシティのときにも、その問題の根幹は、「人は、自分の既得権を守り、心地よい環境の維持と発展を望むこと」だと書きました。そういう意味では、女性活躍推進という言葉も、同じ質の問題ではないか、と思います。

 

私が知る限り、シリコンバレーでは、90年代に、企業内での女性のプロモーションが進み、例えば、1999年に参加した全米規模のHR会議では、人事部門のトップの90%が女性である、という報告を聞いて驚いたのを覚えています。当時の人事部門は、業務のアウトソースが進み、多様化した人材のキャリアを考える時代に突入した頃ですので、女性の持つ知性と柔軟性が職務と上手くマッチしていたようです。その後、hpでは、女性CEOカーリー・フィオリーナが生まれ、彼女が受付業務からキャリアを出発したことが話題となり、現在は“HP史上最高のCEO”と称されるメグ・ホイットマンがCEOを務めています。かの地では、女性活躍という言葉が死語になったように感じましたが、Facebook女性幹部が書いた「LEAN IN(著:シェリル・サンドバーグ)」などを読むと、まだまだ、いろんな問題があるのだなあ、と認識させられます。

 

さて、少し遅れている日本の話。日本で、女性活躍を阻んでいるのは、何でしょうか?大きく分けて、二つの問題があるように感じます。

 

一つ目は、「日本社会に根強く蔓延っている心情、心理」です。現在は、労働人口の減少や企業の人手不足の影響により、「性別問わず、人は(少なくとも表面上は)働き続ける」という価値観が、企業から強く発信されています。しかし実態としては、女性特有の出産に対しても、その後の育児、家庭に関わる全般について、どこかに根強いネガティブな気持ちがあろうかと思います。「女性はどうせ辞めちゃうからね」、と。

 

昨今、就職に対する価値観が大きく変化している時代ですから、統計を取れば女性蔑視が明確になるかもしれません。この心情は今でも40歳代以上の男性社員に根強く残るホンネでしょう。

 

私の経験則で言えば、女性は、男性と同じペースで長く走り続けるのは、一般論としてあまり得意ではないと思います。ものすごく頑張るときと、ちょっと休憩をしたいときがあり、それを上手くバランスとりながら生きていくことで、良いパフォーマンスをあげる人が多いように感じます。ですから、期限を設け、目標を達成したり期限がきたら、また違う種類の仕事に挑戦したり、あるいは、有給休暇でリフレッシュしたりと、メリハリのある働き方を許容することが、第一歩ではないでしょうか。考え方としては、先般出版された「ALLIANCE~人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用(著:リード・ホフマン;ベン・カスノーカ;クリス・イェ)」が近しいのではないかと思います。

「女性」ではなく1人の貴重な「ビジネスパーソンとして」

二つ目の問題点は、「職務内容や目標の曖昧さ」です。

日本は、会社主義(新卒→ゼネラリスト)で、職務(仕事)のプロフェッショナル化という概念があまりない珍しい企業文化をもつ企業が多いのです。こういう環境だと、所謂空気を読む、というスキルが幅を利かせ、「何をどうすれば、評価に繋がるか」が曖昧になりがちです。こういう会社で活躍する女性は、彼女たちなりに、空気を読んで、我慢強く働き続けるか、目立たないように振舞うか、逆に、強いキャラを前面にたてるなど、いずれにしても、本当の女性の強みがあまり活かされないようになりがちです。この解決には、「仕事と役割を明確にする」ことが一番です。知的で、達成意欲の高い女性が、本当に成長していくには、こういう透明感のある環境(人事制度)が良いと思います。

 

ただ、暗い話ばかりではありません。日本企業でも、2014年にリクルートホールディングスさんとサントリーホールディングスさんが発起人となりスタートした「新世代エイジョ(営業女子)カレッジ」など、2015年は日経新聞に毎日のように“新しい働き方”が紹介されていました。その中でも女性は特に注目されています。新しい取り組みは日々生まれ、実行されているのです。

 

弊社のツアーでは、毎年hpにお邪魔させて頂いている事もありますが、hpの社員さんのお話を聞くと、メグ・ホイットマンCEOに対する尊敬の念を強く感じます。彼女はCEOという立場にも拘らず、毎回リュックサックをしょって出勤するそうです。「開発費を削減しない」、という素晴らしい戦略も注目されますが、それ以外にも遠くからでも大きな声であいさつをするなど、「人格」が強いリーダーシップの発揮に良い影響を及ぼしているようです。これは「女性だから」という問題ではないですね。

 

女性活躍推進と言う「男性目線」からの言葉でなく、女性が自ら、仕事で自己実現したいと願い、それが当たり前である社会を作っていく事が本質的には大事なんだろうと思います。

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