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TOPUSツアー【特別対談】現地パートナー 三ツ木氏インタビュー

【特別対談】現地パートナー 三ツ木氏インタビュー

米国ツアー特別対談
人事コンサルタント 三ツ木 良太 氏

ツアー4回目にして初めて組み込んだニューヨーク視察。 常連参加者の要請で検討したが、西海岸と違って樋口の人脈も多くないために毎年見送りしていたところ、強力な助っ人が現われた。
その方こそがここで紹介する三ツ木氏。
米国生まれの日本育ち、現在はニューヨークを拠点に人事労務管理面で主に在米日系企業をサポートしている。

とにかくサービス精神旺盛で、とことんクライアントのために尽くす人。 当社が手がけるような視察旅行の視察先調整・アテンドはあまりご経験がないとのことだったが、「この人だったら」と相談を持ちかけたところからニューヨーク視察が現実となった。実際、去年の参加者の満足度は極めて高いもので、移動中の彼の解説に理解度が高まったという声が多く、今年はツアーの最中に彼のショートセミナーを聞きたいという声も多かった。

本インタビューは、樋口が2015年12月にニューヨークを訪れ、去年のレビューを行い、今年の企画について話し合った際の記録である。

米国と日本、2つのルーツ

樋口:

三ツ木さんこんにちは。ロサンゼルスでの講演から深夜の帰宅と相変わらずご多忙な中お時間をいただき、ありがとうございます。

今日は、改めて三ツ木さんご自身のことや去年のツアーの振り返りと今年の企画についての意見交換をさせていただければと思っています。よろしくお願い致します。

三ツ木さんは確かシカゴ生まれでしたよね。いつまでアメリカにいらっしゃったのですか。

 

三ツ木氏:

小学校1年生の途中で日本に引っ越しました。

 

いきなりアメリカから日本に引っ越して大変なこともあったのではないですか。

 

当時は日米それぞれで差別が酷く、いじめにあったり、苦労しました。両親は日本人だけど生まれはアメリカ。アメリカでは日本人として扱われ、日本ではアメリカ人として扱われる。変ですよね、今となっては笑い話ですが(笑)

まぁ、生まれは変えられませんから、どうやったら人と良い関係を築けるのかとか、相手は何を欲してるんだろうかとか、そのようなことは小さい頃から自然に考えたり実践するようになりましたね。

 

人の気持ちを察したり、いわゆる「空気を読む」のが得意な今の三ツ木さんの原点なのでしょうね。

 

そうかもしれません。

 

その後のことをお伺いしても良いですか。

 

いじめを克服してからは、学級委員や部活のキャプテンのようなリーダー的な役割を任されることが多くなりました。クラスの友人たちがどうやったら楽しく過ごせるだろうかとか、今のチームで最大の力を発揮するにはどうすれば良いかとか、そんなことをよく考えていたように思います。

 

なるほど。HR(人事)の専門領域に進まれたのは、そういう背景もあったのですね。

 

心の底にはそういったものは残っていたとは思いますが、はじめから人事の専門を志していたわけはありません。と言うのも、大学を出て最初に入った会社は日本電信電話株式会社(NTT)でしたから、特にHRを強くは意識していませんでした。当時は、より多くの人々に影響を与えられる仕事をしてみたいという考えから、テレビを中心としたマスコミや日本最大の通信インフラを持つNTTを中心に、その他の業種も受けました。

 

NTTではどんなお仕事を担当なさったのですか。

 

最初の2年は支店での営業や営業企画などをやりましたが、その後は新サービス開発や新規事業企画、ビジネス企画など、企画系の部署が長かったです。例えば、NTTがWiFi事業を始めた頃には、そんな事業にも携わりました。好きで楽しかったせいもありますが、とにかく働きました。

 

お話をうかがっていると、当時からハードワーカーだったのですね。

 

はい、そうだったかもしれません(笑)

 

米国にお戻りになったのはいつですか。

 

NTTに9年と少し在職した後、ニューヨークに渡りました。しばらくはニューヨーク大学に籍を置いて勉強していましたが、思うところあって、当時、ニューヨークに本社を置いていた人事コンサルティング会社に入社しました。

「日米の架け橋」「人(ひと)」という二つのテーマを追求していましたので。

日米の人事には「法的」そして「慣習的」な違いがある

それから、10年ほど経っているわけですが、今は、どのようなビジネスをなさっているのですか

 

ビジネスの中心は、人事労務管理面で主に在米日系企業のサポートをしています。 日本で大企業や一流企業と言われるような会社でも、米国でのオペレーションは必ずしも大きくはないですし、人事労務は日本からの駐在員が兼務していたり、現地の総務担当者や経理担当者が兼務しているケースも多いです。特にそのような企業に対して、日本の企業文化を理解しつつ、米国の労働・雇用や人事労務管理慣習に則ってサポートしています。

 

日米企業での経験が長い三ツ木さんから見て、日本と米国企業の主に人事面で、どういうところに違いを感じますか。

 

大きく分けて2つあると思います。一つは、法的な側面と、もう一つは、慣習的な側面ですかね。

 

ではまず、法的な面について伺ってよろしいですか。

 

例えば、あらゆる差別への厳しさです。日本で「雇用機会均等」というと”男性と女性の”雇用機会均等というイメージが大きいと思いますが、米国では、生まれた国、人種、肌の色、宗教などなど、様々な多様性が企業内で存在し、それらへの対応をきちんとすることが非常に重要です。

日本でもダイバーシティという言葉が定着しつつありますが、その運用面での厳しさは、相当差があり、問題が発生しやすいといえるでしょう。

また、米国は、いわゆる判例法主義である、ということが大きな違いです。例えば、就業規則などは、日本と違って法律上の作成義務はないのですが、実際には必要であり、どの企業にも備わっています。法律上規定されていないことでも、きちんと対応しないと後々大きな問題になる可能性があります。

 

それでは、慣習面についてはいかがでしょうか。

 

これは、西海岸での樋口さんのご経験と同じかと思いますが、大きな違いは、一部の熟練技術を求めるビジネスを除けば日本のような終身雇用や年功序列が重視されないということです。日系企業にとっては頭ではわかっていても実際の現場で問題が起こりやすいところですね。年齢差別禁止法があるので、そもそも定年制がないのも人事慣習上の違いのひとつです。

 

私の経験上、米国企業では、いわゆるスペシャリスト集団であり、職務という概念が労働者より先に来るので、仕事が属人的に回る日本企業とは、この点が根本的に大きな違いを感じます。

 

そうですね。日本だと、就社してジェネラリストとしてキャリアを積んでいくことが多いのに対し、アメリカはポジションの職務・職責が明確にされますし、専門性を重視しますから、スペシャリストとしてキャリアを積んでいく。企業側も特定のポジションに合った人を採用しますし。

例えば、新卒で卒業する学生にとっての「インターンシップ」などは、その歴史的位置づけが日本とは相当違うと思います。と言うのも、日本ではその基本的な能力や適性を見極める選考のステップであるのに対して、米国では「経験がない」ことのハンディキャップが大きいのでそれを埋めるために存在しているという大きな目的があります。

 

確かに、未経験の学生を採用したがる日本企業は、欧米の採用からみると異色ですね。

第五回は、「米国企業の特色を最初の段階で理解できる」ツアーにしたい

話は変わって、去年お世話になったツアーですが、初めての取り組みで、ご苦労も多かったと思います。三ツ木さん自身の満足度はいかがでしたか。

 

私の満足度は、クライアントの満足度次第だと思っています。その点では、何人か参加者の方々に聞いてみたところ、総じて満足度は高かったようでした。一方、もっとニューヨークならではのベンチャー企業の視察を希望される参加者の方もおり、多様なニーズを持つ参加者全体を満足させるのは大変難しいなあ、と考えた次第です。

また、米国企業や社会の理解を先にしていただいてから、個別の企業や機関を視察したほうが、理解度や納得度は高まったのではないか、とも感じています。後からいただいたアンケートを拝見して、参加者ごとに理解度がここまで違うものかと驚いた次第です。

 

視察先の選定についてはいかがでしょうか。

 

ニューヨークらしさという意味では、IT企業やベンチャー企業が集中するシリコンバレーと違って、むしろその多様性が特色ですから、業種や規模も絞らずに選択したことはよかったと思います。

一方で、前回は初めてであり、上手く受け入れてもらえないところもあったので、この経験を生かして、より魅力的な視察先を選びたいと思います。

 

では、今視察先を企画いただいている2016年のツアーは、どのようなものになりそうですか。

 

そうですね、予算や期限などの制約もありますが、可能であれば、シリコンバレーとニューヨークのプログラムを一体化して、米国企業の特色を最初の段階で理解していただくようなプログラムにできないかなあ、と思っています。

2月末には日本にも行くので、検討されている参加者への説明会なども検討してみたいですね。

 

わかりました。今日は、本当にありがとうございました。

ぜひ、良いツアー作りのために一緒に知恵を絞っていきたいと思います。今年も、よろしくお願いします。

三ツ木  良太 氏

 

学習院大学法学部卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)入社、数々の新サービスや新規事業の立ち上げに従事するとともに、所属担当で設立した子会社への出向を通じ、経営企画や組織人事に携わる。

その後渡米し、ニューヨークに本社を置く組織人事コンサルティング会社にてRegional Manager/Project Managerを務め、2009年よりHRM Partners社に参加。現在はニューヨークを拠点に人事労務管理面で主に在米日系企業をサポートしている。

「ビジネス成功の鍵は人材の有効活用」を信念に、目標管理・業績評価・報酬戦略を含む人事制度改善の実績多数。また、幼年期を米国で過ごした経験から、日米間の文化的相違を理解し、コミュニケーション問題の改善にも力を注ぐ。

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